おいしいオーストリア:トルテ編

オーストリアの名家ハプスブルク家の皆さまは大の甘い物好きだったらしく、オーストリアには甘いお菓子がたくさんありますし、皇室御用達のお店もたくさんあります。
オーストリアの最も有名なトルテと言えば、チョコレートケーキの代名詞とも言える「ザッハー・トルテ(Sachertorte)」になります。

日本でも「ザッハー・トルテ」という名前のチョコレートケーキがたまに売られています。オーストリアでは、この「ザッハー・トルテ」という名前をめぐって、「ホテル・ザッハー」と「デメル」が裁判を起こしたことがあります。

裁判の結果、両者とも「ザッハー・トルテ」を名乗ってよいということになりましたので、一応、オーストリアで「ザッハー・トルテ」の名前を使えるのはこの2店ということになっているようです。ウィーン市内では、この2店舗のほかでも「ショコラーデ・トルテ(Schokoladetorte チョコレートケーキ)」という名前で、「ザッハー・トルテ」と似たスタイルのチョコレートケーキを出しているお店もあります。

ウィーンに行ったら一度は食べてみていただきたいトルテはほかにもあります。シェーンブルン宮殿でもいただくことができる「アプフェルシュトゥルーデル(Apfelstrudel)」というオーストリア風アップルパイがものひとつです。普通、アップルパイというと、パイ生地でりんごのフィリングをはさんで焼くものが一般的ですよね。「シュトゥルーデル(Strudel)」とはドイツ語で「渦」や「渦巻き」という意味になります。

「アプフェルシュトゥルーデル」もパイの一種なのですが、りんごのフィリングをぐるぐる包み込むようにパイ生地で巻いて作られていますから、少し、普通のアップルパイとは趣が変わります。長方形のような形に作って焼いたものに粉砂糖をたっぷりふりかけて、ロールケーキの要領でカットしたものに、生クリームを添えていただきます。

カフェで注文すると温めてサーブしてくれるところもあります。りんごのフィリングは基本的にシナモン風味になっています。お店によって、レーズンやナッツのようなものもフィリングのなかに入っていることがあります。シュトゥルーデルのパイ生地は非常に薄いものですので、りんごフィリングの味を存分に楽しむことができます。ちなみにシェーンブルン宮殿では「アプフェルシュトゥルーデル・ショー」という「アプフェルシュトゥルーデル」を試食しながら、作るところを見せてくれるショーを開催しています。

ショーだけのチケットもあるようですが、「シェーンブルンパス・クラシック(Schönbrunn Pass Classic大人€14.90、学生€13)」のチケットを買うとこのショーの料金や、グロリエッテ、迷路庭園等を楽しむことができるのでおすすめです。ショーに行くと試食ができるだけではなく、レシピもいただくことができます。

オーストリアで食べることができる「シュトゥルーデル」は「アプフェルシュトゥルーデル」だけではありません。「トプフェンシュトゥルーデル(Topfenstrudel)」というカッテージチーズをパイ生地で巻いて焼いたものもいただくことができます。「トプフェン(Topfen)」とはオーストリアのドイツ語で「カッテージチーズ」という意味になります。

ビラやスパーといったスーパーでは、フルーツやチョコレート味のカッテージチーズを使ったデザートを買うことができます。ヨーグルトに似た雰囲気の入れ物に入っているですが、「Topfen」と書いてあるものがカッテージチーズを使ったものになります。やわらかいクリーム状のムースのような感じでとてもおいしいので、私は好きです。チェリー味やベリー系のものがさっぱりしているのでおすすめです。

ほかに、「エスターハーズィー・トルテ(Esterhazytorteもとがハンガリーのマジャール語のようなので、ハーツィと読むのか、ハーズィでよいのか定かではありませんので、ハーズィーとしておきます)」もあまり日本では見かけないトルテなのでおすすめです。薄く焼いたへーゼルナッツの入った生地とバタークリームが何層にもなっているトルテで、表面には白にチョコレートの茶色で模様が付けられているものになります。

また、ウィーン市内のあちこちのお店では、「モーツァルト・トルテ(Mozarttorte)」という名前のケーキが売られています。たとえば、「ゲルストナー(Gerstner)」の「モーツァルトトルテ」は円柱型のピスタチオとチョコレートのムースでできていますが、「カフェ・モーツァルト(Mozart)」のものはチョコスポンジにピスタチオクリームのものになります。お店によって形や味が少しずつ違うものになりますので、いろいろと試してみるのも面白いと思います。

インペリアル・トルテ

最後に忘れてはならない、「ホテル・インペリアル」の有名な「インペリアル・トルテ(Imperialtorte)」をご紹介します。ホテルのカフェ「インペリアル(Imperial)」でいただくこともできますし、オペラ座のすぐ隣にある「シルク(Silk)」というカフェでもいただくことができます。また、お土産用の紙箱入りのものと木箱入りのものもホテルや「シルク」、「プラザ・ジャルックス(オペラ座裏のJALグループのおみやげものやさん。日本人観光客がメインターゲットだと思います)」でも買うことができます。

お味はかなり甘めになりますが、ウィーンに来た思い出にいただいて帰るのは悪くないのではないかなと思いますので、機会があれば試してみていただきたいと思います。