美術史博物館その1


ウィーンには意外なほど多くの美術館や博物館が点在しています。ウィーン1区を囲むリンクシュトラーセ沿いのマリア・テレジア広場(Maria-Theresien Platz)を挟んでシンメトリー状に、「自然史博物館(Naturhistorisches Museum 大人€8、学生€3.50)」と「美術史博物館(Kunsthistorisches Museum 大人€10、学生&シニア€7.50)」は建っています。

自然史博物館には世界最大級のトパーズや小鳥から霊長類、象や熊の剥製(剥製のフロアはかなり広いので、一人で行くと怖い思いをすることになるかもしれません)が展示されています。また、自然史博物館の1階の入り口入って左側の階段を少し下りたところには、生きている小動物や鳥の展示コーナーがあります。かなり小さなスペースですが、小さな飛べない鳥や、虫、毒を持っているトカゲや魚の水槽もあったりしますので、けっこう楽しめると思います。

数年前に行った際には大きめのコガネムシ(絶対ゴキブリだったと思うのですが)も展示されていたのですが、昨年行ったときには虫の展示は少なくなっていました。また、自然史博物館は企画展も開催していることが多く、ちょっとした理科のお勉強にもなると思います。ちなみに、歴史の教科書でおそらく誰もが見たことがあると思われる『ヴィレンドルフのヴィーナス』も展示されているのですが、これだけは自然史博物館でも別格扱いのようで、博物館の中の小さな箱型の展示スペースの中に展示されています。

美術史博物館は、KHM(Kunsthistirisches Museum)と略されて書かれていることもあります。博物館の中は自然史博物館と同様にかなり広いので、じっくり見るためには半日か、それ以上の時間を確保して行かれた方がいいと思います。

美術史博物館の絵画部門は、木曜日のみ、21時まで(通常は18時まで)開いていますので(2006年9月時点)、市内のお店や多くの観光スポットが閉まってしまった後に見に行かれてもよいと思います。夜はそれほど団体の観光客が多くはありませんので、団体ツアーの解説の声に邪魔されることなく、(視界の邪魔をされることもなく)ゆっくり絵画鑑賞をすることができると思います。ただし、夜は彫刻やメダル部門は開いていませんので、そちらをメインに見に行かれる方は注意していただきたいと思います。

美術史博物館1階はエジプトや古代ギリシャ、ローマの彫刻等が展示されています。私は見つけることができなかったのですが、ここにイエス・キリストの聖遺物である、キリストが亡くなったかどうかを確かめるために腹部を突いたものの、先の部分があるようです。もしかしたら所蔵だけで展示はされていないのかもしれないのですが、美術史博物館に行かれる方はチェックしてみていただきたいなと思います。

美術史博物館3階はメダルや古い貨幣が展示されていますので、興味と時間のある方はご覧になっていただきたいと思います。

そして美術史博物館のメインである絵画部門は美術史博物館2階に展示されています。1階から2階に上がる際に使う階段の上の方の壁にはグスタフ・クリムトが描いたことで有名な壁画が残されています。かなり高い場所にありますし、階段から見上げる形になりますので、見づらいかとは思いますが、とてもきれいに保存されていますので見てきていただきたいなと思います。

2階の絵画スペースはかなり広いです。内側と外側、中央スペースと3重構造になっていますので、見落とさないように気をつけて鑑賞していっていただきたいと思います。ウィーンの美術史博物館にある有名な絵画といえば、デューラーの1505年の作品『ヴェネチアの貴婦人(Junge Venezianerin)』や、アルチンボルドの1563年の作品で、4部作のひとつである『夏(Der Sommer)』(『秋』か『冬』も美術史博物館所蔵だったと思います)や、ラファエロの『草原の聖母(Madonna im Grünen)』等が挙げられます。

個人的にはブリューゲルの絵画の充実ぶりはすばらしいと思いますし、ベラスケスの描いたことで有名なマルガリータ王女の絵も、王女が小さな頃から4枚分が一緒に展示されていますので、王女の成長を感じることもできますから、見る価値があると思います。王女の絵は4枚並べて部屋の入り口の上の方に展示されていますので、見落とさないように気をつけていただきたいと思います。